デッサンを勉強するために知っておくべきこと1


一般的にデッサンというと鉛筆や木炭などのモノトーンの画像を使って、絵の対象物(モチーフ)を描くことを言いますが、関西での殆どの芸術大学の主流が「卓上デッサン」と言われる鉛筆による細密描写ということになります。
そこで初心者の方のための"鉛筆を画材として使う上で知っておくべき事"を簡単にまとめてみました。


鉛筆は"黒さ"ではなく"硬さ"によって違いが出る
鉛筆には様々な種類のものがあるのはご存知だと思いますが、主にこれは絵画的用途にどんどん種類が増えています。最近になって10Bや10Hなんて物まで(10Hとか硬くて刺さるんじゃないか?)出てきました。でもこれからデッサンを勉強したいという方なら、バラ売りのものをいくつか選んで購入すれば良いでしょう。

ハイユニアートセット ←10B〜10Hまで揃えたいという方はどうぞ。

鉛筆にはBや2Bといった記号が付いていますが、これが鉛筆の"硬さ"を表しています。
B=Black(黒い)、H=Hard(固い)という意味で、HBはその中間ということになります。Fというのもありますがこれは主に筆記用に用いられることが多いですがFirmの略(これについては諸説あるようですが、現時点ではこれが公式に認められているようです。FineだとかFeminineだとか色々…戦争で資料が紛失されたと聞いた事があります。)で"しっかりした"とか言う意味だそうです。
これを順番に並べると

硬い←4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B→黒い

となり、記号の前の数字が増えると硬さもあがっていきます。10Bなどもありますが、まずは4H〜4Bまでくらいあれば困る事はないでしょう。それぞれ2~3本くらいを購入しておけば尚良いです。

ここで鉛筆の"黒さ"について考えるとHの鉛筆が"硬さ"として扱われていることからもわかる様にBは黒い=柔らかいということになります。画用紙はその表面がざらついていて、非常にたくさんの凹凸を持っています。(下図参照)鉛筆はペンなどと違って染料を用いる訳でもないのでその表面に鉛の粉をこすりつけているにすぎません。


結果として柔らかい鉛筆は紙の表面により多くの鉛を残してくれるし、逆に硬い鉛筆はあまり定着しないということになります。

鉛筆で書いていて手の紙に置いている面が黒くなったことないでしょうか?これは表面に付いている鉛の粉がこする事でとれてしまっているのです。鉛筆には紙に鉛を完全に接着する"糊"は無いので、長く保存したい場合には、市販されているフィクサチーフという定着材(スプレーの糊のようなものです)を使います。これもすぐには必要ありません。


非常に単純なことですが、この原理を知っておくと色々なことが見えてきますので頭の片隅にでも置いておいて下さい。ふと役に立つことがあるでしょう。

終わりに鉛筆メーカーのリンク
http://www.mpuni.co.jp/ 鉛筆の歴史などのコンテンツあり。大変面白い。
http://www.staedtler.co.jp/ ドイツのメーカー。青い軸がかっこいい!
http://www.faber-castell.jp/  こちらもドイツ。かなり硬い。

参考
Wikipedia 鉛筆 貧乏削りまで載っているとは…。


※初めはuniの鉛筆でいいと思います。(uni starは避けてくださいね…。hi-uniはさらに良いです。)またメーカーによってBやHなどの硬さの設定が違うので、色々なメーカーのものを買うのではなく、一つのメーカーで揃えましょう。